多湖総合法律事務所 多湖総合法律事務所

042-711-7142
電話受付時間
平日9:00~18:00
※ご予約で夜間土日祝対応可能
無料法律相談はこちら
取扱い業務一覧を見る

※ 電話でのご相談・匿名での法律相談には応じかねますので、ご了承ください。

042-711-7142
営業時間
平日9:00~18:00
定休日
土 日 祝日
無料法律相談はこちら

弁護士コラム

【弁護士コラム】フリーランス新法について

【弁護士コラム】フリーランス新法について

相模原の弁護士の多湖です。

今日は、中小企業庁及び公正取引委員会の肝入りの「フリーランス新法の改正」についてです。


今までの行政の周知スタイルでは考えられないほど、めちゃくちゃ情報量が多く、工夫された解説サイトを作っていますから、かなりの肝入りであることが分かります。


●公正取引委員会フリーランス法特設サイト | 公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2024/


2024年11月1日にスタートした、いわゆるフリーランス新法の正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」といいます。


フリーランス新法とは

この法律は、フリーランスとして働く個人事業主や一人会社を保護するために制定されましたが、フリーランスに業務委託する事業者で従業員を使用している者には、種々の規制が掛けられましたので、いわゆる中小企業の代表者の方、法務担当の方は内容を把握しておく必要があります。

フリーランス新法は幅広いので、基本的なところのみ解説します。

フリーランス新法の規制内容の概要

フリーランス新法で押さえておくべき規制内容として、おおまかに次の七つは必ず押さえてください。

1】書面等による取引条件の明示
【2】報酬支払期日の設定・期日内の支払
【3】7個(受領拒否、報酬減額、返品、買いたたき、購入・利用強制、不当な経済上の利益の提供要請、不当な給付内容の変更やり直し)の禁止行為
【4】募集情報の的確表示
【5】育児介護等と業務の両立に関する配慮
【6】ハラスメント対策にかかる体制整備
【7】中途解除等の事前予告・理由開示 

です。

【3】は1か月以上、【6】【7】は6か月以上継続している業務委託の場合にのみ適用されます。

【5】と【6】は普通の会社でも対策をしているため、イメージがしやすいと思いますので説明を省きます。

フリーランス新法の規制内容の詳細

【1】書面等による取引条件の明示

【1】は、書面、メール、SNSのメッセージなど形に残れば大丈夫です。

仕事内容、報酬、支払期日、双方の氏名や名称、業務委託の日付、納期、仕事の給付の受領場所を明記し、検査をする場合は検査完了日、現金以外の方法で支払う場合は報酬の支払いに関する事項を明記する必要があります。

ただ、中小企業でも通常の企業であれば、取引をする際に、契約書は取り交わしますから、大きな問題にはならなそうです。付き合いがあるからと口頭で行わないように注意をしてください。

【2】報酬支払期日の設定・期日内の支払

通常は翌月払いが多いですが、期限がかなり先で今なら違反となる契約を見かけたことがあります。
報酬の支払期日は発注した物を受け取ってから60日以内に、出来る限り短い期間で定めなければならないとされています。

但し、発注した事業者が、下請けの場合で、当該フリーランスに再委託している場合は、手元にお金が入ってこないと払えないので、元請からの支払期日から30日以内に定めることが許される場合があります。

【3】7個(受領拒否、報酬減額、返品、買いたたき、購入・利用強制、不当な経済上の利益の提供要請、不当な給付内容の変更やり直し)の禁止行為

【3】が一番重要かもしれません。

受領拒否(注文した物品または情報成果物の受領を拒むこと)、報酬の減額(あらかじめ定めた報酬の減額を求めること)、返品(受け取った物品を返品すること)、買いたたき(類似品等の価格または市価に比べて、著しく低い報酬を不当に定めること)、購入・利用強制(〇〇を買ったら取引してやるなど、指定する物、役務を強制的に利用させること)、不当な経済上の利益の提供要請(キックバックや接待の強要など)、不当な給付内容の変更・やり直し(費用を負担せずに注文内容を変更し、または受領後にやり直しをさせること)が禁止されています。

もちろん納品されたものに、瑕疵があるなどは例外でしょうが、正当な理由がない場合、一方的都合などですね。

【4】募集情報の的確表示

【4】は、雇用でも同じですが、募集情報が古くて「あ、1万円で出していたけど、今は5000円でやってもらっているんだ。」などです。

【7】中途解除等の事前予告・理由開示

最後の【7】は、6か月以上業務を委託している場合で、その業務委託に関する契約を解除や、更新しない場合には、30日前までに書面、FAX、メール等の方法で予告しなければならないというものです。

また、契約満了までに、解除理由をフリーランス側から求められた場合は遅滞なく解除しないといけません。


ただ、後述の公正取引委員会のQ&Aでは、予告しなくても解除が出来ないわけではないとされているので、不思議な法律になっているなあと感じています。

借地借家法よりも労働基準法に近いのかな?と感じています。

罰則について

そして、気になる罰則です。
どの法律でも同じですが、これがないと立法の効果がほとんどないです。

フリーランス新法に違反すると、公正取引委員会、中小企業庁長官または厚生労働大臣により、助言や指導、報告徴収、立ち入り検査、是正命令、企業名の公表があり、命令違反や検査拒否などがあると50万円以下の罰金に処せられることもあります。


特徴的なのは、違反行為そのものというより、違反行為に関する行政の各種行為に従わなかった時に罰金等がかけられます。

労働基準法は、直罰の刑事罰なので、この辺もまた違いますね…。
昔の景表法(景品表示法)に近いのかな…。

でも小さく生んで大きく育てるのが日本の政治なので、いずれ景表法のように違反行為自体を罰する直罰規定も入りそうですね。

法務担当の方へ

法務担当の方が詳細に検討される場合は、公正取引委員会のQ&Aがめちゃくちゃ詳しく解説してくださっているので、お勧めです。

ただ、弁護士などの専門家が読むと「ああ、なるほどなるほど。そういうラインを攻めているのね。ここは大人の事情なのね。」と、すごく感心しつつ分かりやすいのですが、とにかく長くて膨大なので、お読みになられても分からない場合は、悩むだけ時間がもったいないので、Q&Aを示しつつ、自社の顧問弁護士等に相談されることをお勧めします。


●フリーランス新法Q&A | 公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/fllaw_limited/fllaw_qa.html


以 上

関連コラム

無料法律相談は、事前予約制となっております
平日(月~金)
初回相談30分無料
その後、30分ごとに 5,500 円 (税込)
土・日・祝日
30分ごとに 5,500 円 (税込)
相続のご相談の場合、平日初回相談 60分無料
相続のご相談の場合、
平日初回相談 60分無料
その後30分ごとに 5,500 円 (税込)

予約枠が空いている場合は、即日や夜間土日祝日での法律相談も可能です。
夜遅くまで相談を受け付けていますので、日中帯に都合がつかない方はご利用ください。

お急ぎの方は、お電話にてご予約ください
お急ぎの方は、お電話にてご予約ください

※ 電話でのご相談・匿名での
法律相談には応じかねますので、ご了承ください。


電話受付時間 / 平日 9:00 ~ 18:00
※ご予約で夜間土日祝対応可能
Top