弁護士コラム
産休、育休手当は、婚姻費用の収入として認定されるか
みなさん、こんにちは。
相模原の弁護士の多湖です。
共働きが社会の主流になりつつある今、産休や育休を取られている方は非常に多くいらっしゃると思います。
今日は、産休、育休中に別居をしている場合、いわゆる産休、育休手当が婚姻費用の収入として認定されるかについてです。
育休手当は婚姻費用算定の収入となる
この点、育休手当は、婚姻費用算定において収入として認定されています。
他の公的給付についても、健康保険の傷病手当金、障害年金、失業保険は収入として認定されます。これは、これらの性質が収入の填補に当たるからです。
対して生活保護は、国が困窮した人に最低限度の生活を保障する制度であるため、生活保護の趣旨から婚姻費用や養育費の分担義務を負わないとされています。
育休手当を用いて算定表を用いる方法
次に、育休手当を婚姻費用算定表の収入に換算する方法についてですが、育休手当は実際には仕事として稼働していないため、仕事のための経費は想定されていません。
対して婚姻費用算定表は、額面収入を用いますが、一般的な経費が種々かかることを考慮してあの金額を出しています。
そのため、育休手当の収入を婚姻費用算定表に当てはめる際には、職業費(仕事にかかる経費)を割り戻す修正が加えられることが多いです。
具体的には、職業費を15%として、手当金が年100万円だとしたら、
100万円÷0.85≒117万6470円 という修正を加える審判例があります。
※宇都宮家庭裁判所令和2年11月30日審判(参照)
※宇都宮家庭裁判所令和4年5月13日審判(参照)
つまり、収入が若干増えてしまうということになります。
もっとも、これらの算定は夫婦の合意があればどの方法を取っても構いませんので、職業費などを考えないことも多くあります。
いずれにせよしっかりとした話し合いを持つことが重要です。
以 上
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