弁護士コラム
弁護士だけが出来る「弁護士会照会」とは
弁護士会照会とは何か
弁護士会照会とは、弁護士法23条の2で定められた「弁護士会に所属する弁護士からの申し出により、公私の団体に行なう照会のこと」です。
業界内では23条照会と呼ばれることがあります。
年間17万件以上もの照会があるそうで、その数には驚きです。
かくいう私も弁護士会照会は多用します。
弁護士会照会の使いどころ
それでは、どのような場合に弁護士会照会を使うのでしょうか。
離婚や不倫問題の際に相手方の住所や氏名が分からない場合、携帯電話番号で特定するということはよくやります。
また、第三者の銀行の取引履歴も弁護士会照会になら応じるというところも増えてきました。
カルテの開示も然りです。信号機のサイクルを調べたり、色々なことに使います。
証拠収集のために利用するということも多いですが、特に訴訟に勝訴した場合の強制執行の際に一定の意味があります。
それは相手方の財産を探すという点です。
預金であったり、生命保険であったり、敷金、勤務先であったり。
一個人には絶対教えてもらえませんが、これらを駆使して財産が見つかることもあります(もしくはそれを後ろ盾に相手方に任意に弁済を求めることも)。
日本郵便が敗訴
私も一度労基署が「運用」を理由に回答を拒否したことがあったので戦ったことがあります。
国や地方自治体、それと関係する(民営化後の)団体はどんな理由があろうと弁護士会照会に回答しないのがこれまでの通例でした。
未公開株詐欺の被害男性について、民事訴訟の和解金を支払わない相手方の財産調査のために、日本郵便株式会社に対して、相手方の転居先を回答するよう弁護士会照会が行われたが、日本郵便株式会社これを拒否。
そのため、愛知県弁護士会が日本郵便株式会社を提訴。
名古屋高裁で弁護士会への回答義務は、郵便法の守秘義務を上回るという判断がされました。
弁護士会本体が裁判にまで出てくるのはなかなかないです。
愛知県弁護士会はそれ以外でもかなり熱い活動をしていますからね。
今後も回答に応じる団体は増えそう
もともとの日弁連の熱心な働きかけもあり、条件付きで回答に応じる団体は増えていましたが、これらの判決の影響も受けて、この流れは加速していきそうです。
弁護士への依頼のメリットの一つとして弁護士会照会が行えるというのは今後比重が大きくなっていきそうです。
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