弁護士コラム
町田駅前火災と、闇金と弁護士の戦い
相模原の弁護士の多湖です。
朝一で町田簡易裁判所で訴訟がありましたが、その帰りに消防車と警察車両がたくさん走っていきました。
タンメンの中本さんが入っていらっしゃるビルで火災があったみたいです。
小田急線がすぐ近くを走っているからか、7~8台の消防車が並んでいました。
消防車の列を見ると必ず思い出すのが「闇金」です。
今日は弁護士と闇金の戦いについて。
闇金とは
「トイチで貸すよ。」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
闇金とは、簡単に言えば貸金業の許可も取らず、マンションの一室を借りて携帯電話片手に、お金に困っている人へ法外な利息を貸す人々を言います。
と自分で勝手に定義を作ってみましたが、一応ウィキペディア先生に確認したところ正しいようです(セーフ)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%97%87%E9%87%91%E8%9E%8D
闇金の手口
闇金の手口は様々です。
警戒すべきは債務整理で信用情報が回り、新たな借り入れを起こせない人を狙って、アプローチしてくるパターン。
ある日突然優しい声で「お困りでしたらお金を工面できますよ。」と言ってきます。
お金を借りたいというと、知らない名前の人からお金が振り込まれます(振り込んだ人は同じく闇金の被害者さんが闇金の指示で返済のために指定された口座に振り込んでいるだけです)。
そして、「〇〇円を何日に△△に振り込んでください。」と言われるわけですが、その利息分が法外に高く、振込先の△△は他の闇金の被害者さんの個人口座です。
このように闇金は被害者さん同士の口座を利用してお金を増やし、増えたお金をレターパック等で足がつかないように抜いていきます。
*警察や弁護士が闇金の返済口座として口座凍結をかけると、後日、一般市民の方(別の闇金の被害者の方)から、口座凍結を何とか解除してほしいと依頼があるのはこのためです。
メインで使っていた口座がいくつも凍結され、その金融機関で新規開設も出来なくなり、困っている方はたくさんいらっしゃいます。闇金に関わってはいけない理由の一つです。
闇金の正体
闇金と話すと分かりますが、闇金の正体は、これまたお金に困った若者のバイト(普通の人)であることが多いです。
お目付け役として暴力団構成員かその周辺の人間が管理していることが多いでしょうか。
オレオレ詐欺で普通の子が友達に誘われて、出し子のバイトをして、実はおとり捜査で警察に捕まり、弁護人がついて、家族全員青ざめるみたいなケースが結構よくありますが、それと大きく異なりません。
闇金の逮捕は極めて難しい
闇金は出資法違反の利率で貸すことが多いので、犯罪行為ですから警察が逮捕することも出来ます。
しかし、警察はなかなか闇金を捕まえることは出来ません。
闇金は「飛ばしケータイ」という他人名義で購入させた携帯電話を使用しているからです。
*よくいらっしゃるのが携帯電話をいくつも購入して他人に転売している方ですが、闇金への売却も一つで、犯罪に使われるケースが多いですから絶対に止めたほうが良いです。
警察が携帯電話番号から犯人を追っていっても、闇金らに携帯を売った市民(こちらもお金に困っている方)にたどり着くだけで、闇金にはたどり着かないのです。
闇金を逮捕するには警察が長い期間をかけて潜入捜査する必要があります。
闇金の脅しの手法と弁護士の戦い
闇金に対して勤務先を教えてはいけません。
実家の住所や連絡先を教えてはいけません。
というか、個人情報を簡単にSNSに上げたり、信頼できる事業者以外に教えてはいけません。
何故なら、闇金は勤務先や実家のみならず、勤務先の向かいにある建物、実家の近所へ手あたり次第に電話をかけ、嫌がらせをしてきます。
電話が本当に鳴りやまない。
法律事務所の電話が鳴りやまずに業務が出来なくなるのは序の口です。
私も昔、闇金と戦った際に、消防車、救急車、警察を毎日午前8時に呼ばれ、ピザと寿司の宅配をやられました。
消防車が10台くらい列をなします。
そうなれば闇金の被害者さんが引っ越しや、退職しなければならなくなるのは必至です。
闇金もそれが分かっているから、何としても勤務先や実家の情報を得ようとし、それを脅しに使うことで返済を担保させようとしているのです。
弁護士から電話がいけば、基本的には取り立てを止める闇金が多いは多いですが、中にはそういう方もいらっしゃるので注意が必要です。
ファイターの弁護士になると闇金に電話して一日中話し続けて、行動を封じ、1週間か2週間か電話攻勢をして、どちらかが降参するまで戦う(電話し続ける)という手法を取ります。
消防と警察、救急を呼ぶのは本当にやめて欲しい。
消防と警察、救急は国の要です。
大火事と通報されれば、消防車10台、救急車2台、警察1~2台は出動しなければいけません。
消防士さん達が良くおっしゃっていましたが、仮にそれが嘘だと分かっていても確認はしに行かなければならないのです。
その時間帯に別の場所で大火事や急病人が出たら、その分、助かるはずだった人が助からなくなります。
「嫌がらせ」では済まない非常に悪質な行為です。
国には、①他者への携帯電話転売の重罰化、②出資法違反の厳罰化、③消防、警察等のへの業務妨害の重罰化をお願いしたいところです。
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