最近、任意整理の対応をしていると、将来利息のカットに応じない金融機関が目に見えて増えています。先日も９％の将来利息を要求されました。

　受任後すぐに（弁護士費用の積立て前）和解しないと将来利息のカットをしないと主張する会社、極めて短期間（２～３年）での返済でないと将来利息をカットしないと主張する会社、取引期間が短いことを理由に将来利息のカットに応じない会社など様々ですが、ノンバンク系の消費者金融だけでなく、銀行系も徐々にそのような対応をし始めています。

　１０年前は、５年払い（金額や取引期間によってはそれ以上）、将来利息全カットが一般的でしたが、ここ最近は本当に世知辛い提案をしてくる金融機関が増えています。

　私が弁護士登録したときは、東京三会基準（①貸金業者に対して最初の取引からの全取引経過の開示を求めること②利息制限法に引き直し債権額を確定すること③和解案の提示にあたっては、それまでの遅延損害金、並びに将来の利息は付けない）を守らないと怒られたものですが、これだけ多くの業者が将来利息のカットに応じなくなってきているのは、裏を返せばそれでも応じてしまう弁護士も増えてきているのでしょう。

　任意整理は自らちゃんと返したいとおっしゃっている方ですから、そういう方にあえて、破産や個人再生に進むように金融機関自らが選択させるよりは、将来利息をカットした上で、任意整理に応じた方が企業経営的な観点からは有利な気がしますが、それだけこれまで無理な条件の任意整理が進められ、結局途中で返済されなくなるとして、金融機関側が態度を硬化させたのでしょうか。

　いずれにせよ、これからの弁護士は、任意整理の成立可能性についてはこれまで以上に厳しく見ていかなければなりません。注意が必要です。