弁護士コラム
不倫(不貞)の慰謝料の相場はいくらなのか。
「不倫(不貞)の慰謝料の相場を教えてください。」
多湖総合法律事務所(神奈川県相模原市)の弁護士の多湖です。
「不倫(不貞)の慰謝料の相場はいくらなのか教えてほしい。」というご相談は本当に多いです。
不倫をされた場合、不倫をした場合、慰謝料を請求し、また慰謝料を払わなければならないわけですが、一体どの程度の慰謝料額が相場とされているのでしょうか。
今日は、夫や妻に請求する離婚慰謝料とは別に、夫や妻の不倫相手に請求する不倫(不貞)慰謝料に絞ってまとめてみます。
※あくまで一弁護士の雑感です。
一般的に言われていること
不倫(不貞)の慰謝料で一般的に言われていることを簡単にまとめると考えるべき要素は大きく分けて3つ。
① 不倫をされた方に関する事情
・夫婦の婚姻期間の長さ
・子供の有無、年齢
・不倫に至るまでの婚姻生活が円満か否か
② どのような不倫か
・不倫期間の長さ、回数
・どちらが主導したか
③ 不倫がもたらした結果
・別居に至ったか
・離婚に至ったか
・精神的苦痛の程度(うつ病等のり患や不眠症など)
・子供をもうけたか
他に、反省の有無や相手方の資力が考慮されます。
不倫慰謝料の実務の相場感
これまで不倫事件は交渉事件も多くやりましたが、訴訟事件も多かったので裁判所の心証を中心にその相場感をまとめてみます。
色々ある考慮要素で、裁判官が重視していると感じたのは
①離婚に至ったか否か
②婚姻期間の長さ
③不倫期間の長さ
やっぱりこの3つ。
離婚に至っておらず、婚姻期間数年、不倫も数回のケースなら100万円程度。
離婚に至った場合は100~300万円程度。
婚姻期間が10年を超えて、かつ不倫が1年以上継続して行われていると150~200万円を超えてくる印象があります。
婚姻期間10年で、不貞期間も長く、離婚している場合で裁判官から200万円と言われたこともありましたね。
不倫相手と子供をもうけたケースも何件かありましたが、その場合300~350万円程度。
500万円というサイトもありますが、これはさらに相当悪質な事案だと思います。
なお、以上は慰謝料に関してで、探偵費用は別途相当な範囲内で加算されることが多いです。
交渉における慰謝料額
以上、裁判所目線(と勝手に私が考えているもの)で書いてみましたが、交渉では少しまた様子が違ってきます。
というのも、交渉は完全に話し合いなので、こちらの希望を相手方が承諾すればそれで和解が成立するからです(相場にしたがってギリギリ金額を詰めないことがある)。
相場から大きくかけ離れた慰謝料額でまとまる可能性があるケースは以下のとおり。
①相手方に弁護士が付いていない場合
何も言わずに相場を大きく超えて、支払ってくるケースがありました。
②医師などの社会的地位にある場合
医師などの社会的地位にある人は資力もあることに加え、不倫を表沙汰にして欲しくないので、穏便に解決するという名目で大きく払ってくることがあります。
他にも、請求される側で50万円の支払いで許して頂いたり、色々ありますが、色々な要素の兼ね合いや、弁護士の駆け引きの腕もありますので、慰謝料を請求、請求された場合は、必ず弁護士に相談しましょう。
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